「ありがとう」は、自らの決意した姿
校長 大坪 辰也
8年生が中心となって企画・運営し、「9年生ありがとうの会」が行われました。体育館に1年生から8年生の児童生徒が待っている中、9年生が入場してきました。以前花道を通ったときは緊張し、また結構頭の上のほうに花飾りがあるなあと思ったことでしょう。それが今では頭がつっかえるくらい大きく成長しました。飾りを持っていた2年生は、お兄ちゃんお姉ちゃんの頭がぶつからないようにと、背伸びをしてより高く持ち上げる微笑ましさも見られました。9年生は、やや緊張しながら花道出口にて後ろを振り返りポーズをとるという、なんとも愛くるしい和やかな表情でスタートしました。
1年生から、ありがとうの思いを様々な形で伝えました。それはまもなく卒業を迎える9年生への自らの決意を示した内容でした。
1年生…“大きなかぶ”をぬく場面。「ようし、やるぞ」そして、みんなでやればできることの大切さを伝えました。
2年生…音楽を通してのありがとう。一人一人ができるようになったことにより、9年生に安心感を伝えました。
3年生…ダンス。きびきびした動き、そしてそろえようとしている仕草。低ブロックのリーダーになろうとする勢いを伝えました。
4年生…「ぼくらはいつだって、みんな友達さ」というメッセージ。語るに及ぶことなく、歌の意味を伝えました。
5年生…授業改革を通して、一人ひとりの決意を伝えました。全校の前で授業を変えるという宣言の重みを伝えました。
6年生…後期課程進級への不安を取り払う、授業や生活場面での立ち振る舞いの大切さ
を伝えました。
7年生…高ブロックで1年間いっしょに過ごした感謝を、個にあてたメッセージという形で伝えました。
8年生…自らがリードし、かつ会を成功させるためのこと細やかな準備を続けました。それは、「最高学年になり、白川郷学園のことは任せてください」と言わんばかりの強い決意を伝えました。
一つのことをやり切るということは、かなり体力や気力を使います。休憩時間に「校長先生、俺の演技どうやった?」と尋ねてくる児童がいました。全校の前で、先生や保護者のいる前で発表をすることは、さぞかし緊張することでしょう。私はその児童を、おもいっきし褒めました。褒めまくりました。
この会を通して、彼自身が自信をつけ成長し、次なる一歩に進むことがわかる表情だったからです。さらに、偶然にも同学年の児童から、「校長先生、今日は○○さんがいたから、私たちの発表は成功したんですよ」と伝えてくれま
した。(○○さんは、演技の様子を聞いてきた児童)
心温まり、胸がいっぱいになりました。自分の役割、そして仲間の役割に充実感を覚えこの会をしめ
くくったのでしょう。
感謝の気持ちを伝えるということは、自分たちの強い決意を伝えていくこと、それが相手に安心をもたらせていくことかなとあらためて思ったこの会でした。