「今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。」

                             校長 大坪 辰也

12月31日大晦日の日、夕方5時ぐらいから、お仏壇の前で「おつとめ」が始まります。子どもの頃は、とにかく正座して寒いのをぐっとこらえ、ご先祖様にお辞儀をし、終わるや否やこたつにずり込んでいたのを覚えています。いつ頃だったかは定かではないですが、表題のような言葉を念じて1年を締めくくっています。
しかしこの2年、家族そろってのおつとめは控えています。私と妻のみが感謝を申し上げることをし、少しばかりの会話を行う…。なんとも切ない年末年始ですが、いつかきっとこの状況も打開されると願ってやみません。

年末と言えば、今年の世相を表す一文字が毎年話題になります。私自身もし表すとするなら「謝」です。「ありがとうございます」の意味と、「いろいろ不手際などあってごめんなさい」の意味を込めてです。本当にそう思います。ご家庭でも、お一人お一人が表されてはどうでしょうか。いったいどのような文字が表され、そこに込められている願いは何なのかと考えるだけでも、一つの会話になることでしょう。

ところで、今年の漢字は、予想通りというかやっぱりなあという思いでした。
“戦”・・・「今回は、○○に挑戦しよう。」「ワールドカップサッカーの試合は、接戦ばかりが続くね。」ということばかりなら、プラスの方向で考えており、わくわく感も出てきます。しかし、どうしても“戦争”という文字で印象に残っていることも事実です。銃を両手に持ち戦う姿の映像を繰り返し見ていると、気持ちが痛くなり、苦しくなってきます。遠い国の世界で起きていることで関係ないなんて思っている人は誰もいないことでしょう。
  もちろん苦しくなるばかりでなく、この一文字には「どうかこの戦争が早く終わり、世界中のみんなが笑顔で過ごせますように」という強い願いも込められています。

児童生徒は、学校という一つのコミュニティで生活をしています。働き出すまでには、別のコミュニティで生活することがあるでしょう。しかし、前述のようなことがあっては絶対ならないし、そうさせないためにも、私たち大人の責任は重要です。何が正しくて何が正しくないのか、また、これは待つべきことなのか今出るべきことなのか等を判断して、子どもたちに示す大切な役割があります。それを経て、子どもは大人へとなっていくからです。
特に年末年始は、親戚とか家族の集まる機会も多くなるのではないでしょうか。一つ具体を言えば、その団らんの時だけは、一度はスマホを伏せて、「今年あった一番面白かったで賞」を話し合ってみてはどうでしょう。面白い顔をつくってもよいでしょう。(年明け、校長先生と、面白い顔勝負をしてみませんか)
無論スマホは、遠くにいる方との会話や記念写真を撮るときにはとても有効なアイテムです。ただ、そばにいて話すときは、目を見て話しましょうということです。

長くなりましたが、再度、今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。