白川郷の正月


鏡餅
 白川郷のお正月は、家族みんなでお寺やお宮へ初詣をし、お雑煮を食べたり、年始まわりをするといった一般的なお正月と変わりありません。
 お正月の料理も道路事情がよくなった現在、他の地域との相違はあまり見られませんが、昔からお祝い事、仏事に使われた豆腐だけは、欠かせない一品のように思います。
 もともと、初午の行事であった「春駒」も現在は、白川郷の正月の風物詩の一つとして、保存会によって守られ行われています。

鐘楼門
白川村史抜粋(昭和11年の話し)
【年越し】
除夜の鐘がつき終わる頃、かかさは起きて若水を汲み、ほくちをうって豆殻に火をつけ、雑煮の仕度に取りかかる。
家族一同は身を清めてお寺へ初詣する。ただし氏神様へは思い思いに参るだけだ。
雑煮は丸餅を焼いて椀にとり、芋と豆腐の汁をかけて食べる。
【元 旦】
元日はお互いに年始をうけ、回礼にでる。
【二 日】
二日は手はじめと云って、男はこぼえの縄をなう。こぼえとは三尺位のヤドミ(植物)ほえを両掌で握られる程度にくくった、いわゆるまぶしのことである。
女は、はりで(裁縫)をする。この日の晩は二番手と云って年取りと同じ御馳走が出て、家内中にぎやかに騒ぎぬく。
【三 日】
三日あたりから新年のまれびと「春駒」が訪れて、各家々の今年の蚕飼を祈念する。春駒は必ず三人連れで、二人は太鼓と三味線をはやし、一人は女装して右手にザイを持ち、左手へザイの先から垂らしたヒガナキン(赤布)を引いて「春の始めに春駒なんぞ...」の唄と囃子に合わせて、面白可笑しき踊りを舞う。
舞うにつれてザイの先についた赤青黄紫などの五色の紙切で渦紋がえがかれ、鈴が鳴り、ヒガナキン(赤布)が羽衣のように上下する。
踊り込まれた家々ではお祝いに銭を包み、蚕飼いの神様だといわれる踊り子に真綿を投げかける。

■としとりの料理

  ○平-----芋、豆腐、ごんぼ(ごぼう)、ねんじん(人参)、椎茸、楢茸漬

  ○ちょく--こんにゃくの白あえ

  ○皿-----大根なます、切目肴または鰤

     ※祝宴のあとに、豆腐、大根の味噌汁、御飯